魚突きにおけるフロートの1番の役割はとにかく目立つこと!
海上を航行する漁船などに自分の存在をアピールし、海難事故の防止に努める!
だから船からの視認性を上げて、出来る限り安全に魚突きをする必要がある!
本当に?
あなたは本当にそう思いますか?
いろいろなサイトで魚突きにおけるフロートの重要性が書かれていますが私は疑問に思う所があります。(もしかすると、あなたもそういった疑問を持ってこの記事を見に来てくれたのでしょうか)
なぜ目立つ必要がある...?
私にとって目立つことはトラブルの原因にしかならない
地域の方に認知され、問題なく魚突きができる環境であれば目立つことは重要だと私も思います。
しかし、私がいつも行っているポイントでは地域住民や漁師に見られた場合、ほぼ100%通報され警察のご厄介となります。(魚突き禁止のポイントではありません。法令に乗っ取って魚突きを楽しんでおります。)
人に見られることは魚突きを中断、もしくはやめさせられる事へ繋がり目立つという行為は私にとってはデメリットでしかない行動なのです。
自分の安全を他人に任せるのか?
周りに自分の存在をアピールし、航行している船に避けてもらう。
そもそもこの考え方が私には理解できない。
船舶を運行するものは常に周りを見張り、海難事故の防止に努める義務があるのですが、漁船を運行している漁師の方々は直径5.60センチの浮遊物などほぼ気にすることなく、直進して行きます。(気にすることなく、というかまず見ていません)
何度も潜りに行ったことがある人であれば、船の機関音が聞こえ周りを見渡しても近くに船を確認することができず、かなり離れている所を船が走っていた。なんて経験をされた事があるのではないでしょうか?
これは音の特性が関係しており、空気中で伝わる音の速さは1秒間に約340m、それに対して水中では1秒間に約1500mもの速さで伝わります。
そのため突き師はかなり早い段階で船の存在に気づき、その船のルートから外れ安全な場所に避難することができるのです。
話がそれてしまい申し訳ありません!汗
つまり私が言いたいことは、
周囲に見てもらっているから安全だ!と勘違いするのではなく、自分の目で見て判断し安全を確保した上で魚突きを楽しんでほしい!
ということです。
このことを理解して頂けた方であれば、必ずしもフロートは目立つ必要がない事をわかってもらえると思います。
魚突きで使用する道具を徹底解説している記事をまとめて分かりやすくしています。
お時間がある方は合わせて読んでみて下さい。
フロートに必要な機能
ここからは目立つこと以上に重要になってくる、フロートに必要な機能について解説していきます。
突いた魚を無理せず回収できる
フロートは手銛に繋げており、自分では到底潜れないような水深に手銛を落としてしまってもフロートライン(フロートと手銛を繋げておく為のロープ)を手繰り寄せれば回収できるようになっており、それは魚を突いた時にも役立つ機能です。
魚を突き、根に入られてしまって引き寄せることができなかった場合、1度手銛を話し浮上して息を整え無理せずゆっくりと回収することができます。(1回で回収しようとするのではなく、フロートラインやチョッキラインが切れない限り何回でも回収作業は出来るので慌てずに行う)
また、ブリなどの回遊魚を相手にする時も同様で青物はキルショットでない限り、突いた瞬間から走り回るので走り疲れおとなしくなる時を待ってゆっくりとフロートラインを手繰り寄せ回収することができます。
フロートラインがないと青物を回収することは厳しいのではないか?
まず私には無理です。笑
サメ対策になる
突いた魚をフロートに装備しているストリンガーに吊るすことにより体から魚を離し、最悪自分がサメに襲われることを避けることができます。
種類にもよりますが、自分から人間に近づき危害を加えようとするサメはそうそういません。
ですがホホジロザメやイタチザメ、シュモクザメ(ハンマーヘッドシャーク)などは非常に危険な魚のため見つけた場合は岸に逃げる事が最優先になります。
サメは嗅覚が優れており、主に血の匂いにつられて近づいてきますが、攻撃してくるとしてもキープしている魚の方を狙ってきます。
サメを見つけた時は安全を第一に考え、その日の魚突きは断念することも考慮した方が無難です。
サメを見たときは慌てずゆっくりと逃げろ!と言われており、そんな冷静に対処できるか!といつも思っています。
潜っている最中にホホジロザメを見たことはありませんが、おそらく目が合った場合、私は失神する自信があります。笑
飲み物を吊るしておける
魚突きをしていると自分が思っている以上に体の水分を消費していることがあります。
脱水症状などを引き起こさないためにもこまめに水分補給をする必要があるのですが、そこで役立つのがペットボトルホルダーです。
フロートに吊り下げておけば海面でいつでも飲むことができるので便利です。
私は真冬であっても必ず飲み物をフロートに吊り下げて魚突きを楽しんでいます。
つかまって休むことができる
浮力調整をしており何もしなくても海に浮かんでいられる状態ではあるのですが、飲み物を飲む時やスノーケルではなく直接呼吸をしたい時などにつかまって休むことができます。
また海流に乗ってしまい、思っている以上に流されてしまった場合でも救命浮環の代わりになり、最悪時間はかかっても岸まで戻ることはできる!という心のゆとりになります。
私も過去に魚突きに夢中になり思っているよりも流されて岸までの遠さに絶望しかけたことがありますが、その時のフロートの心強さといったら言葉では表せません。
ウィルソーーーン!!(申し訳ありません。完全に取り乱しました...キャストアウェイ知ってる人が一体どれくらいいるんだろう。笑)
フロートシステムの全体像
フロートシステムについてこれから詳しく解説していきます。
これから購入する方や自作を考えている人がどんな物をフロートに装備しておくべきかを再確認し、自分好みにカスタマイズする手助けになればと思います。
フロートラインについて
フロートラインとはフロートと手銛を繋げておくロープのことで主に手銛の紛失防止や突いた魚を無理せず回収できるようにする役割があります。
素材
水中拘束などのトラブルを避けるため水に浮くものがいいです。(後述する中間フロートを使用する場合は無理して浮くものにする必要はありません。ですが浮く素材がいいことには変わりません)
ラインの太さ、長さ
太さは1.5~3ミリ程度で水中拘束時にナイフですぐ切断できるもの、長さは自分の潜れる水深+αです。(フロートラインの長さは潜るポイントで水深が変わるため、長さを調整できる仕組みにする必要があります)
購入する場合はフロートとラインがセットになっている物もあるのでそこまで考える必要はありません。(ですが決して安い物ではないので自作することをおすすめします。)
中間フロートの必要性
中間フロートとは、手銛から3~5mほど離したフロートラインに小さいフロートを取り付け、潜水時にそのフロートの浮力によりラインを海面方向へ引っ張り上げてくれる物でフィンや岩などにラインが絡まることを防いでくれます。
これがあることにより、ラインが常に上方向へピンと張られているので海底での方向転換などもしやすく、体の後ろ側でラインがゴチャゴチャとならないため、水中拘束の危険性が低くなります。
フロートに取り付けておくと便利な装備
銛先のスペア
チョッキ銛を使用する場合、スペアの銛先を持っておく必要があります。
大型の魚を突いたときに貫通することなく魚体の中でチョッキが効いてしまった場合、海に浮かんでいる状態では銛先を回収することは難しくタイムロスにもなるため、スペアの銛先に付け替える方が手っ取り早いです。
銛先が入ればどんなものでもいいですが、私はフカセ釣りなどで使われるどんぐりウキを入れておくポーチに入れて装備しています。(小さめでちょうどいいサイズの物がたくさんあります。)
締め具
クエなどを仕留めた場合、頭の骨が固くナイフで脳締めすることは難しいため専用の締め具を持っておく必要があります。
一緒に神経締めするためのワイヤーも装備しておけば魚の状態をより良くして持ち帰ることができます。
私の締め具は3面カットで自作しており、20mm程度の木の板でも容易にねじ込み貫通させることができるため魚の頭の骨などは余裕で突破でき脳締めすることができます。
ドリンクホルダー
フロートに必要な機能でも説明しましたが、魚突きをしていると思った以上に体の水分を消費します。
100均などで売られているドリンクホルダーを取り付けておけば水中でも簡単に取り外し、いつでも水分補給することができます。
最近の100均は優秀すぎる!!
魚突きに使えそうな物を探してみると意外と多くのアイテムを見つけることができます。
おすすめのフロート
自作するのはちょっと面倒!
既製品を購入したい!
という方に向けておすすめのフロートを紹介します。
これから紹介する物は使いやすさはもちろん、手入れのしやすさやフロートとしての機能を充分に備えている物です。
NoA フロートシステムフルセット
フロートシステムに必要な物を全てセットにしてあるものです。
カラーバリエーションもあり、これだけの物がそろっているにも関わらずとても安価!!
セットで購入するのであれば正直これが最適解です。
NoA フロートのみの紹介
上のフロートはセットで紹介したものと同じです。
ハードフロートは水の抵抗も少なく、掴まりやすい形状のためとても良いですがその分、高価になっています。
フロート以外のラインシステム
フロート以外のラインシステムです。
上はセットで紹介したものと同じで、下はストリンガー無しで中間ラインが変更されているものになります。
今回はあえて空気を充填して使うフロートの紹介は避けました。
理由はこれまでに私も使った経験がありますが使う時や手入れが面倒!!ということ。
魚突きを始める時に空気を入れ、使い終わった後に手入れをするため空気を抜く。
この作業がとても面倒でストレスになってしまうため使い勝手のいいものに絞りました。
フロートにもいろいろな種類がありますが、必要な機能を持ち合わせた上で使い勝手と手入れのしやすさを考えて選ぶと間違いありません。
自作フロートの勧め
ここからは実際に私が作成した自作フロートについて紹介します。
自作フロートのメリットは何よりも安いこと!
そして必要な装備だけを選び、無駄なく自分好みにカスタマイズできることです。
まずは収納した状態
私のようにポイントまで歩きでの移動が長い突き師にとっては荷物を最小限にし、コンパクトにする必要があるため現在はこの様な形になっています。
フロートシステムを展開した状態
画像の都合上フロートラインと中間ラインを伸ばし切った写真ではありませんが、フロートラインが約15m、中間ラインが約5mなので20m程の長さとなります。
ちなみにフロートラインは草刈りナイロンコード2.4mm、中間ラインは釣りなどで使う尻手ロープを使用しています。(中間ラインについてもナイロンコードを使用しても問題ありません。)
私の場合、どれだけ深く潜っても20m以内で魚突きをするのでこれだけの長さがあれば充分です。
というか20m以上深い所へは今の私の技術では到底いけません。笑
あとは前に紹介した銛先のスペアを入れるポーチと締め具、ドリンクホルダーを装備しています。
自作フロートの作り方
必要な道具
・フロート(酒屋などに行けば無料でもらえる4~5ℓの空きペットボトル)
・草刈りナイロンコード(ホームセンターで安価で手に入ります。)
・チョッキ銛先を作成する時のダイニーマライン(なければそこら辺にあるヒモでいいです。笑)
・中間フロート(釣具屋などに売ってあります。)
・マグロフック(正式名ブランチハンガー)大2個、小2個
・ビニールテープ
・アルミスリーブ
・ペンチ
近くの釣具店や、ホームセンターに行けばそろう物ばかりですが、一応リンクを張っておきます。
アルミスリーブをかしめる専用の工具がありますがそんな物は必要ありません!
ペンチでゴリ押しです!!笑
作成手順
1.まずはフロートになるペットボトルのキャップ部分にビニールテープを巻きましょう。(使用している内にキャップが緩んでしまい外れてしまう事を防止するため)
2.ペットボトルの取っ手と胴体の部分の2ヶ所にダイニーマライン(なければどんなヒモでも可)を結び、マグロフックを取り付ける。(2周ほど巻き付けておいた方が安心です)
3.草刈りナイロンコードを自分が普段潜る水深の長さ+αの長さで切り、その両端をアルミスリーブでかしめる。中間ライン(3~5m)も同様に作っておく!(かしめる時の輪っかの大きさはできるだけ小さくするのがポイント!)
4.胴体部分につけたマグロフックにフロートラインの片方を取り付け、グルグル巻きにし、取っ手部分につけたマグロフックで固定する。(この取っ手部分のマグロフックでその時の水深に合わせて出すラインの量を調整します。)
5.作成しておいた中間ラインに中間フロートを通し、マグロフックも両端に取り付ける。(私は手銛側を普通のカナビラにしてますがマグロフックの方が外れる心配もないので安心です。)
6.フロートラインを中間ラインに接続する。(中間フロートが付いている方のマグロフック)
7.一度取っ手側のマグロフックからフロートラインを外し、中間ラインもフロートに巻き付け再度取っ手側のマグロフックで固定する。
8.最後に私の場合だと銛先のスペア、締め具とドリンクホルダーを取り付ければ完成!!
自分が必要だと思う物を装備すれば自作フロートの完成です。
自作フロートは既製品を買うよりも安く作ることができ、なおかつ自分のスタイルにあった物が作れるため愛着もわき魚突きがより一層楽しくなること間違いありません。
最後に
これまで説明してきた通り、魚突きにおけるフロートは必ずしも目立つ必要はないため、自分に合った物を作ることによって安全で快適な魚突きを楽しむことができます。
これから新しいフロートを購入される方や、自作する方には必ず安全を最優先にして頂き、自分の命は自分で守る(安全を他人に任せない!)ことを強く腹の底に叩き込み、まだ見ぬ大物との闘いを制し、その怪物を仕留められることを強く願っております。
コメント