魚突きは釣りと違って狙った魚種だけを獲ることはなく、日々変わる海の状況の中からその日に獲れる獲物を探して仕留めるのでクーラーボックスを選ぶ基準が釣りとは異なります。
魚突きに最適なクーラーボックスを選ぶポイントは次の3つで
・自分が獲れる魚のサイズ
・保冷力に関係する材質の違い
・持ち運びやすさは重要ではない
クーラーボックス選びに失敗しないためにも、どのような事に気をつけて選ぶと良いか、自分に必要な性能はどんな物なのかを知るためにまずは上記のポイントを詳しく解説していきます。
クーラーボックスを選ぶ3つのポイント
どんな物でもそうですが、最高品質の物を手に入れようとするとそれだけで高価になりますが、値段が高いからといって全ての人にマッチするようなことでもありません。
人それぞれに使用する目的が異なり、使い方も変わるので自分が何に使うのか、どのように使うのかをしっかりと考えて選ぶ必要があります。
自分が獲れる魚のサイズ
クーラーボックスを選ぶ時にまず重要になってくるのがサイズ選びです。
基本的には持ち帰りたい魚の大きさによって決めるのですが、魚突きでは釣りとは違い対象魚を絞って海に行くことはあまりなく、その日海にいる魚の中から獲物を探し出して仕留めます。
どれくらいのサイズの魚が獲れるかは日によって違うためクーラーボックス選びで悩んでしまいますが、まずは1つ目のポイントとなる『自分が獲れる魚のサイズ』を考えてみましょう。
今の自分の実力や経験でどれくらいの魚を獲ることができるか、普段行っている海にどのような魚種やどれくらいの大きさのターゲットがいるかを想像してみます。
50センチを超えないような魚がメインであればそれほど大きなクーラーボックスは必要ありませんが、いずれはメーター越えのクエや青物を仕留められるようになりたい!と思ってしまうのが突き師の性。
いつでもそのような大物と出会い、仕留めることができてもいいように大きいクーラーボックスを準備しておくというのも一つの手です。
『大は小を兼ねる』言葉はクーラーボックスのために作られたのではないかと思えるほどです。
後述する『持ち運びやすさは重要ではない』でも詳しく解説しますが魚突きではクーラーボックスを持ち運ぶことはまずないのでサイズが大きいから使いにくいということはありません。
ただ、失敗を避けるために気をつけることは、『なぜそのサイズにしたのか』を明確にしておくことです。
・自分で獲れる魚のサイズに合わせた
・いつか出会う大物を夢見て大型の物を選ぶ
このように選んだ理由を明確にしておくことでサイズが合わない獲物が獲れた時でも後悔しにくくなります。
保冷力に関係する材質の違い
クーラーボックスの材質は主に3種類あります。
1.真空断熱パネル
2.発泡ウレタン
3.発泡スチロール
保冷力は真空断熱パネルが最も高く、発泡スチロールが低くなります。
発泡ウレタンは中間の性能でバランスが取れたものと言えます。
ひとつずつ詳しい性能を見ていきましょう。
真空断熱パネル
他の材質のものと比べても断熱効果に優れているため保冷力は抜群の性能を誇ります。
アルミ箔を使用して周囲を真空状態にする事によって外気による温度上昇を防ぎ、内気の温度を保つように作られています。
デメリットは使用している材質が重いためクーラーボックス自体の重量も重くなってしまう事と価格が高いということ。
魚突きでの使用を目的とする場合は持ち運ぶことがほとんどないので重量に関してはそこまで気にすることはありません。
価格を気にしないのであれば抜群の保冷力を持つ真空断熱パネルに軍配が上がりますが重いというデメリットもあるため、何を優先するのかは人それぞれです。
発泡ウレタン
保冷力は真空断熱パネルに劣るものの充分な性能を持つクーラーボックスです。
熱伝導率が低く熱を通しにくいので断熱効果に優れており、建物の断熱材や防音材としても使われています。
価格も真空断熱パネルより格段に安く、重量も軽いためとてもバランスがいいクーラーボックスです。
デメリットとしては突出した性能がない点。
保冷力は真空断熱パネルに劣りますし、価格や重量の面では後述する発泡スチロールに劣ります。
価格は抑えたいけど保冷力はそれなりに欲しいという欲張りさんに向いているクーラーボックスです。
発泡スチロール
保冷力は最も低いですが価格は安いものが多く、重量は他の素材よりも軽いクーラーボックスです。
近所のホームセンターなどで売られているクーラーボックスのほとんどが発泡スチロールの素材で作られています。
真空断熱やウレタンなどの表記が無いものは全て発泡スチロールと考えて間違いありません。
ちょっとしたピクニックなどでは問題ありませんが丸一日使用する目的では保冷力が心許ないのでおすすめできません。
デメリットはやはり保冷力です。
断熱性能が低いので中に入れている氷もすぐに溶けてしまいます。
最近では二重底の物も販売されていてある程度の保冷力UPに期待できますが、より性能を上げたい場合はクーラーボックス内にアルミシートを貼るなどの改造をする事で内気の温度を維持することができます。
持ち運びやすさは重要ではない
魚釣りではポイントまで持っていく必要がありますが、魚突きではクーラーボックスを持っていくことはほとんどなく大抵の場合は車に積んだままです。
そのため重量やキャスターの有無、ハンドルの形状などはあまり気にする必要はありません。
ひとつ上げるとするならハンドルの形状です。
ハンドルの形状は主に3つあり
・U字ハンドル
・ベイルハンドル
・サイドハンドル
完全に好みなので自分が使いやすそうな物を選ぶと良いです。
ただ、U字ハンドルは魚や飲み物などの重量が重くなると上蓋が変形する恐れがあるため、あまりおすすめはできません。(最近の物はよく作りこまれているので変形することは稀ですがハンドル自体が取れてしまう可能性もあるので避けた方が無難です。)
もし重量が重い、運びにくそうなどの理由で魚突きで使用するクーラーボックス選びで迷っている時は、そこまで気にする必要はなく、自分に合うサイズや材質をメインで考えると失敗しにくくなります。
魚突きに最適なおすすめのクーラーボックス
ここからは獲れる魚のサイズ別に各素材のおすすめクーラーボックスを紹介します。
クーラーボックスのサイズを選ぶ基準は内寸。
仕留めた魚をできるだけ真っ直ぐの状態で入れられるクーラーボックスが理想ですが予期せぬ大物が獲れる時があるのが魚突き。
クーラーボックスには内寸+10cmくらいまでの魚は入るのでそれを目安に自分に必要なサイズを決めます。
クーラーボックスを選ぶ3つのポイントでも解説したように『なぜそのサイズにしたのか』を明確にしておくことで失敗するリスクを回避できるのでしっかりと考えて選びましょう
〜50cmまで
魚突きを始めたばかりの時は深く潜ることが難しく、大きな魚に出会えることが少ないので50cmまでの魚をターゲットとしてクーラーボックスを選ぶと使いやすくて失敗もしにくいです。
ダイワ ライトトランクa ZSS2400
断熱タイプ:6面真空パネル+ウレタン
容量24L、内寸46.5cm、重量5.3kg
ダイワのライトトランクは断熱タイプを真空、ウレタン、発泡スチロールから選ぶことができるので、自分に必要な性能の物を選ぶことができます。
ダイワ RX GU3200X
断熱タイプ:発砲ウレタン
容量32L、内寸43cm、重量6.1kg
バランスの良い発砲ウレタンのクーラーボックス。
価格を抑えることができるので1番おすすめできる断熱タイプです。
ダイワ クールラインa3 S2500
断熱タイプ:発砲スチロール
容量25L、内寸43cm、重量4.3kg
発泡スチロールのクーラーボックス。
保冷力はあまり期待できませんが価格も安く、重量も軽いためとりあえずクーラーボックスが欲しいという方の1つ目としてはおすすめできます。
〜70cmまで
ある程度魚を突くことに慣れてくると50cmを超える魚を仕留められるようになってきます。
使用しているクーラーボックスが小さく感じてきたら思い切って大きめの物を購入することも考えてみましょう。
ダイワ プロバイザートランクHD ZSS3500
断熱タイプ:真空断熱、ウレタン、発砲スチロール
容量35L、内寸55cm、重量7.6kg
真空断熱、ウレタン、発砲スチロールの3タイプの材質から自分に必要な性能の物を選ぶことができます。
本体カラーも4色から選ぶことができるのでお好みのカラーにしましょう。
シマノ スペーザベイシス 35L
断熱タイプ:発砲スチロール(発砲ポリスチレン)
容量35L、内寸59.2cm、重量7.1kg
発砲スチロール(発砲ポリスチレン)を使用しているのでこのサイズでも比較的安く手に入ります。
魚突きではあまり必要ありませんがキャスター付きですので持ち運びも楽になります。
ダイワ プロバイザートランクHD GU3500
断熱タイプ:ウレタン
容量35L、内寸55cm、重量6.6kg
内寸55cmで70cmの大物になると少々小さく感じますが、入れることはできます。
普段使いと予期せぬ大物にもある程度対応できるのでおすすめの物です。
70cm以上の大物用
70cm以上となると通常のクーラーボックスでは尾びれを折って入れたとしても難しくなります。
釣具屋や魚屋などにある長い発泡スチロールに氷漬けにして持ち帰るという方法もありますが、保冷力は期待できないので大物が期待できるポイントに行く場合などに備えて大型のクーラーボックスを準備しておくことも重要です。
ダイワ トランクマスターHD Ⅱ VSS6000
断熱タイプ:真空断熱パネル
容量60L、内寸85cm、重量11.2kg
大物でも余裕で入れられるサイズのクーラーボックスです。
キャスター付きで持ち運びしやすく、保冷力も申し分ありません。
シマノ スペーザホエールベイシス 600UC-060I
断熱タイプ:底1面真空断熱パネルの発泡スチロール
容量60L、内寸80cm、重量8.9kg
底面を真空断熱パネルにすることにより保冷力をUPさせることができており、価格も全面に真空断熱パネルを使用しているクーラーボックスより格段に安くなっています。
ダイワ トランクマスター HD2 S4800
断熱タイプ:発泡スチロール
容量48L、内寸75cm、重量8.6kg
発泡スチロールの素材で作られているので価格も安く、重量も軽いクーラーボックスです。
保冷力に若干の不安はありますが、内寸75cmと大抵の魚は入れることができ、大型のクーラーボックスでありながらこの価格は充分な性能だと言えます。
その他、魚突きで使用する重要な道具を詳しく紹介している記事もあるので合わせて読んでみて下さい。
最後に
魚突きで使用するクーラーボックスはサイズ選びが難しく、悩まれる方も多いと思います。
決心して購入したのはいいが思っていた感じと違った...
もう少し大きめのサイズにしておけば...
などの後悔をしないために重要なことは『なぜそのクーラーボックスを選んだのか』をしっかりと自分で把握しておくことです。
この記事を読んで下さった方がクーラーボックス選びで失敗することなく、自分に合った最高の物と出会えるためのお役になったのであれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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全身全霊をもって回答させて頂きます!
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