魚突きをする時の一連の流れは大きく分けると
1.魚を見つける
2.魚を突く
3.魚を取り込む
ことになります。
どれも重要な事ですが今回は『魚を取り込む』ことに焦点を当てて解説していきます。
この記事では魚を取り込む際、ケガをしないためのポイントや手銛別、魚種別で変わる魚の取り込み方を詳しく解説しているので全てを理解し、実践することが出来れば安全にそして確実に魚を取り込む技術を身につけることが出来ます。
一度で全てを覚える事は難しいのでひとつずつ確実に習得していきましょう。
他にも魚突きにおいて重要な技術を紹介する記事をまとめたので合わせて読んでみて下さい。
魚突きで最も怪我をしやすいのが取り込み時
魚突きは自然を相手に体一つで立ち向かうアクティビティであるため、怪我をする可能性は少なからずあります。
怪我をする要因は他にも様々ありますが、特に多いのが魚の取り込み時。
突いた後、取り込む際に魚のエラやヒレなどで怪我をしてしまう事が多いため気をつけるポイントがあります。
ほとんどの魚は水の中を泳ぐために構造上、頭から尾ヒレ方向へ向けてヒレや鱗などが付いています。
水の抵抗を極力無くすためにそのようになっているため、それに逆らうように尾ヒレから頭にかけて撫でるように触ってしまうとエラやヒレで怪我をしてしまいます。
魚を取り込む際は絶対にそのような事はしないようにしましょう。
魚突きにおいてケガは付き物ですが、対策できるものについてはしっかりと注意を払い、余計なケガで魚突きが出来なくなるような事は避けましょう。
手銛別の取り込み方法
その時の状況や狙う魚によっても取り込み方が変わりますが、まずは使用する手銛の違いで取り込み方が変わるためその種類別に詳しく解説していきます。
どの種類の手銛を使用する場合でも最終的に魚のエラを掴むことさえできれば魚を絞めることが出来るのでケガをしないように注意しましょう。
竹ヤス、パラライザーでの取り込み
竹ヤスやパラライザーを使う場合、カエシがあって無いようなものなので突いた後に抑えにいかないといけません。
突いたら岩場などに押し付け、魚が抜けないように銛先を持って浮上する必要があります。
この種類の手銛を使用する時は突いたら抑える!ということを心掛ける事が重要になります。
突いた段階ですでに息が限界で抑えに行けず、魚を突いたままの状態で浮上すると魚が暴れた際にバラしてしまう可能性があるので、一度手銛を離して浮上し、呼吸を整えて抑えに行く方がバラしにくくなる場合もあります。
水深が深く海底に残してきた手銛を視認できない場合は手銛をロストする恐れもあるので、状況によってどうやって取り込むかを考え臨機応変に対応する必要があります。
羽根式手銛での取り込み
貫通させカエシが効いている場合、魚に逃げられる事はまずないので落ち着いて取り込むことができます。
浮上する時に魚が暴れるとサイズにもよりますが押し棒を曲げられる事があるので、魚の動きに合わせるように操作して、魚の動きに追従するように手銛を動かすと良いです。
穴の中やその付近で魚を突いた時は奥に逃げようとするため突いたらすぐに手銛を引き、穴から遠ざけるようにするとその後の回収が楽になります。
魚が大きいと引きずり込まれそうになりますが初動全力で立ち向かい、もし少しでも力負けするようなら無理せず長期戦に持ち込む他ありません。
チョッキ銛での取り込み
魚を突いてチョッキが効いている場合、余程のことがないと魚をバラすことはありません。
穴付近での対処は羽根式手銛と同じですが、他の手銛と違うのが魚が銛先から離れ、ある程度自由に泳ぎ回ることが出来る点です。
初心者の方は魚を捕まえようと泳ぎ回る魚を直接掴もうとしてケガをしてしまう事が多いのでチョッキ銛を使用する時の取り込み方のコツを覚えましょう。
チョッキ銛での取り込み方は
1.利き手でチョッキラインを掴む
2.反対の手で手銛を引きチョッキラインを持っている利き手を滑らせていき魚に密着させる
3.手銛を持っている手を放し、魚のエラを掴みに行く(この時が1番ケガをしやすいので時間をかけ安全に行う)
4.エラを掴むことが出来たらチョッキラインを持っている手を放し、そのままナイフを取り出す
魚の頭付近を突くことが出来ていれば苦戦することなく取り込めると思いますが、尾ヒレに近い場所の場合は魚に密着させている手からエラまでが遠いため掴むのが難しくなります。
魚の頭付近を太ももで挟んだり、身体に押し当てるなどしてケガをしないようにエラを掴みに行きましょう。
魚種別の取り込み方法
狙う魚によっても取り込み方に違いがあるため魚種別に説明していきますが、魚の種類は膨大にありますので、今回は3系統に分類して解説します。
石鯛や真鯛、黒鯛などの鯛系
鯛系の魚を突いた時はその場から離れようと泳ぎ回り暴れますが大抵の場合、すぐに弱まり泳ぐことを止める個体が多いです。
中には最後まで抵抗し泳ぎ回る個体もいますが稀です。
ヒレに鋭いトゲを持っている魚種が多いのでケガをしないようにエラを掴みましょう。
ヒラマサやブリ、カンパチなどの青物系
青物系の魚を突いた時はその瞬間、猛スピードで泳ぎ回るためまずは弱らせることに尽力しましょう。
急に泳ぎ出した時に手銛本体に力が直接行かないようにするためゴムを持ちある程度自由に泳がせる気持ちで浮上していきます。
泳ぎ回っている間は無理に引き寄せようとせず、チョッキラインやゴムを持って気長に弱まるのを待ちましょう。
弱まり動きが鈍くなってきたら、タイミングを見てエラを掴みにいきます。
青物系は体が流線形のものが多く、掴みにくいですがエラ下から滑り込ませるようにするとエラを掴みやすいです。
キジハタやアカハタ、クエなどの根魚系
根魚系を突いた時はその多くが穴の中へ逃げ込もうします。
穴の中へ入られてしまうとその後の回収に時間を要するため突いたらすぐに引き寄せ穴から離す必要があります。
大物の場合は力負けして入られてしまう事もありますがその場合は無理をせず、その後の回収に全力を注ぎましょう。
穴に入られてしまった時の対処法
1.穴の中の魚が見え、手が届きそうであれば直接掴みに行く
2.魚が見えない場合は手銛を軽く押したり引いたりしてみる(押すときは銛先で魚をつつく様なイメージでやると意外と出てくることがあります)
3.引く方向や押す位置を変えてみる(穴の形状にもよりますが出来るだけいろいろな方向へ)
4.力に物を言わせる(最終手段です。手銛をロストするくらいならチョッキラインを切って回収した方が良いため力ずくで引っ張ります。この場合も魚が出てくることが多くあります。)
根魚の多くはエラにも小さなトゲを持っているものがいるのであまり強い力で掴むとケガをしてしまう事があります。
根魚を仕留めることが多い穴打ちという技術について詳しく解説した記事もあるので合わせて読んでみて下さい。
フロートの有無での取り込み方法
フロートと手銛をフロートラインで繋げるか繋げないかで取り込み方が変わるのでそれぞれ解説します。
フロートを使用する場合
穴に入られた時や息が限界の時などに一度手銛を放し浮上したとしても、魚を見失ったり手銛をロストする可能性を低くすることができます。
青物系を取り込む時に最も効力を発揮し、魚が弱まるまで安心して待つことが出来ます。
その他にも突いた後に浮上して、海面からフロートラインを手繰り寄せ魚を回収することができる場合もあるため、フロートを使用するメリットは多くあります。
フロートについて詳しく解説した記事もあるので合わせて読んでみて下さい。
フロート使用しない場合
フロートを使用しない場合は一度浮上して息を整える等が出来ないことが多いため突いた時の行動が重要になります。
手銛別や魚種別でも取り込み方を解説しましたが、フロートラインがない場合はその難易度も確実に上がります。
取り込み方を具体的にイメージしてよりシビアに行動する必要があります。
最後に
今回紹介した取り込み方はあくまで初歩的なものであり、今後魚を突く回数が増えることにより取り込む事に慣れてきて自分なりのやり方がわかってきます。
もっと効率良く魚を取り込めないか、安全に取り込む方法はないか、などを考え続けることにより魚をバラしにくくすることが出来ます。
魚突きをする全ての人が安全に、そして確実に魚を取り込むことが出来るように祈っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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