今回は、魚を仕留めるための唯一の武器である手銛についての紹介します。
これから魚突きを始めるけど、どんな手銛がいいの?
手銛は買ったんだけど他にはどんな手銛があるの?
という方に向けて、最高の一本を見つける手助けをしたいと思います。
この記事を読んでもらえば、
・初めて手銛を買ったけど上手く使えない
・レベルアップのために違う種類の手銛に買い替えたい
という方が迷わず自分に合った手銛を見つけることができます。
魚突きで使用する道具を徹底解説している記事をまとめて分かりやすくしています。
手銛の種類
手銛と言ってもその種類はたくさんあり、魚突きのスタイルやメインターゲットによって使いやすい手銛が決まります。
どんな手銛であれどんな魚もやろうと思えば獲れるのですが、難易度が跳ね上がったり、そもそも無理!なんてこともあります。
銛の種類はいろいろありますが今回は4種類の手銛を紹介。
- 竹ヤス
- パラライザー
- 羽根式手銛
- チョッキ銛
竹ヤス
そもそも潜ったことがないという魚突き初心者にまずおすすめしたいのがこの竹ヤス。
近所の釣具屋などで探せば1000円前後で購入できると思います。
大体1〜2mほどの長さで軽量なので水中で操作しやすく、なんと言っても安価!
潜った経験が浅く、まだそんなに深く潜れないという人でも穴打ち(魚が隠れている穴の中を覗いて突く技術)をすればサイズはそこまで期待できませんがアラカブやキジハタ、アカハタなどとても美味しい魚を突くことができます。
まずは竹ヤスで魚突きを初めてみて、
『もっと大物を獲りたい!』
『違う手銛で魚を仕留めてみたい!』
と思ったら後述する手銛へ変えていくのがいいと思います。
ただとても扱いやすい手銛ではあるんですが射程が短く、カエシもあってないような物なので大型の魚になると極端に仕留めにくくなります。
あと安価なだけに耐久力も低く、銛先が外れてしまったり竹が割れたりしますが1番はゴムの耐久力が低すぎるという事、買って初めて使う時は大丈夫かもしれませんが2回目、3回目となるとゴムが劣化してすぐに切れてしまいます。
まずは竹ヤスで魚突きを初めてみて、もっと大物を獲りたい!違う手銛で魚を仕留めてみたい!となったら後述する手銛へ変えていくのがいいと思います。
竹ヤスのメリット
・初心者なら最適
・軽量で水中操作しやすい
・比較的入手しやすく安価
竹ヤスのデメリット
・潜れるようになってきた人には物足りない
・耐久力が低い
パラライザー
竹ヤスを使って魚突きをしていると『物足りないな』と感じてくる時があります。
それは突き師としてのレベルが上がってきた証拠であり次の段階へ進んでも問題ないと思います。
竹ヤスの次におすすめしたい手銛がこの
パラライザー!
初めてこの名前を聞く人もいるかと思いますが「麻痺、無効化」などの意味からこの名が付けられました。
その名の通り魚に命中した際、神経系に当たることが多く魚を麻痺させ動けなくさせる効果があります。(実際に使っていましたが魚が麻痺することは他の手銛でもある事なので特別パラライザーだから麻痺しやすいということは無いと思います。笑)
長さも1m〜3mを超えるものまであり、自分のスタイルに合わせて長さを選択すると良いと思います。
パラライザーは特徴的な銛先をしていて、2本〜5本ほどで扇状に作られカエシが付いていない物が多いのですが魚を突いたら銛先が外に広がるのでバラしにくいという設計になっています。
ただあくまでもバラしにくいというだけで魚の大きさによっては抜けてしまうこともありますので、突いたら抑えに行くという意識が必要です。
構造上、銛先が広がったり元に戻ったりを繰り返すため根本部分から折れる可能性があります。
その日の魚突きが終了し水洗いする時にでもこまめに銛先のチェックをし、異常がないか調べたほうが良いです。
竹ヤスに比べれば射程が伸び、抑えにいく技術を習得すればこれまで獲れなかった大物や仕留める数も格段に伸びます。
パラライザーのメリット
・竹ヤスに比べると射程が伸びるので魚を警戒させにくい
・銛先の数が多いため命中させやすい
・カエシがないので魚を傷つけにくく手返しが早い
パラライザーのデメリット
・魚を突いたあと抑える必要がある
・構造上、銛先の根本部分が折れやすい
羽根式手銛
次に紹介するのがこの羽根式手銛。
竹ヤスやパラライザーで魚を突くことに慣れ、もう一段階レベルアップしたい方におすすめの手銛。
柄の先端に取り付けられた羽根が特徴的な手銛で、魚を突いた後この羽根が開き強力なカエシになることにより魚をバラさず仕留めることができます。
魚を突いた際も柄とカエシが一体となっている手銛ため穴の奥へ逃げらた時も魚をコントロールしやすく比較的簡単に穴から引きずり出すことができます。
ただ銛先の面積が小さいので、竹ヤスやパラライザーに比べると魚を突く技術が求められます。
使用回数が増えたり、岩礁を突いてしまった場合は銛先を研ぐ必要があるのですが繰り返して行くうちに銛先が短くなってしまった場合は羽根を取り付ける位置の変更や買い替えなどをすることになります。(今は銛先が交換できるタイプの羽根式手銛もあります。)
羽根式には片羽根と両羽根の2タイプがありそれぞれに長所、短所があります。
片羽根は貫通力に優れますが、使用回数が増えるにつれ銛先を研いで短くなり突いた後に魚が暴れまわった時に外れてしまう場合があります。
両羽根は貫通力は片羽根に劣るものの、銛先が短くなった時でも外れる心配はまずありませんが、銛先から魚を外す場合、片羽根より時間がかかってしまうため手返しが遅くなってしまいます。
どちらのタイプにしてもキルショット(魚の急所を突き、暴れさせることなく仕留める技術)を打てれば魚をバラすことはないので自分の技術向上のためにも練習する必要があります。
かく言う私も狙ってキルショットを打てる訳ではありませんが...笑
羽根式手銛のメリット
- 強力なカエシの羽根があるため魚をバラしにくい
- 穴へ潜られた時も魚をコントロールしやすい
- 銛先や羽根を交換できるので自分好みにカスタムできる
羽根式手銛のデメリット
- 銛先の面積が小さいので突く技術が求められる
- 使用回数が増えると銛先が短くなり魚をバラす場合がある
パラライザーなどの押し棒のみを交換できる物も紹介しておきます。
銛先のみを交換する場合は必ず自分の持っている銛のシャフトにサイズが合うことを確認して購入して下さい!(M6やM8などのサイズ表記がされています)
チョッキ銛
最後に紹介するのがこのチョッキ銛。
羽根式手銛同様、銛先の面積が小さいので初心者にはおすすめしにくい手銛ではありますが、ゆくゆくはこのチョッキ銛があなたの最強の相棒になってくれるのではないかと思っています。
基本的に銛先がチョッキ銛先、押し棒、チョッキライン、テンションゴムの4つで作られているため初心者には扱いが難しくある程度の慣れが必要ですが、一言で説明するなら万能!
そもそも手銛が入らないような大きな岩が密集し突くのが困難な場所では使いにくいですが、それ以外あらゆる場面で使いやすくどんな魚種にも対応できます。
さらに大物狙いの場合、最高のポテンシャルを発揮する手銛です。
魚を突いた際チョッキ銛先が外れ、チョッキそのものがカエシとなりラインによって魚が逃げることを許しません。
このチョッキラインが切れない限り魚をバラさず、突いた後大暴れする青物でさえも弱らせたあとに落ち着いて取り込むということができます。
ただチョッキ銛の構造上1回突くと銛先のチョッキが外れるため魚を突きそこなった場合、押し棒にチョッキ銛先をセットし直しゴムを引き直す必要があるため2回目を打つまでに時間を要し魚に逃げられることもあります。
チョッキ銛のメリット
- あらゆる場面において万能
- 大物狙いであればチョッキシステムが有効になり最適
- 一度突いてしまえばラインが切れない限り魚をバラす心配がない
チョッキ銛のデメリット
- 大きな岩が密集している場所では使いにくい
- 一度突きそこなってしまうと次に突くまでに時間がかかる
- 初心者には構造が複雑で扱いにくい
チョッキ銛でも銛先のみ交換できる物を紹介します。
羽根式同様、銛先のみを交換する場合は自分が持っている手銛のシャフトとサイズが合うことを確認して購入してください。
手銛の選び方
回遊する大型の青物をメインにする方や岩礁地帯でそこに居着く魚をメインにする方、比較的浅場で穴打ちをする方などそのスタイルによって選ぶ手銛が決まりますが、やはり1番大事なのは
『この手銛で魚を突きたい!!』
と思えるような手銛と出会えるかどうかだと思います。
どんな手銛であれ熟練度と工夫でどんな魚も突くことは不可能ではありません。
ただ使いやすい、仕留めやすいということは必ずあるので、自分のスタイルに合わせて手銛を選ぶことが魚を獲る上での近道になるといえます。
ここからは手銛の選び方について説明していきます。
完全初心者
これまで海に潜ったことが全くないという初心者にはまず、魚を獲ることの楽しさや難しさを経験してほしいため竹ヤスをおすすめします。
竹ヤスにはいろいろな種類があり、シャフトが青色で作られている物を青ヤス、緑の物を緑ヤス、竹で作られている物を竹ヤスと呼びますが性能的にはあまり変わりはありませんので気に入ったものを使うと良いと思います。
初心者~中級者
竹ヤスなどを使い魚を獲れるようになって物足りなくなってきた人には
パラライザーの2m前後の物がおすすめです。
あまり長いものを急に使うと取り回しが難しくかえって魚を獲りづらくなることがあります。
2m前後といっても竹ヤスに比べれば2倍ほどの長さになり、はじめは使いにくいでしょうが慣れてくればその捕獲量は2倍どころではありません!
仕留められる魚種も増えサイズも格段にアップするはずです!
中級者~
なにをもって中級者以上なのかは人によって違い、私も中級者の域まで到達できているのかと問われれば自信をもって『はい!』と返事をできるほど胆力は持ち合わせていませんがそこそこの技術を習得したつもりではいるので
『近いところまでは来ている!!』
と言わせて頂きたい。
ここまでくればそれなりに技術を習得しているので、自分のスタイルにあった手銛を選ぶと良いと思います。
おすすめは羽根式やチョッキ銛などの一本銛です!
魚を必要以上に傷つけることなく万能であるためどんな魚種でも技術次第で仕留めることができます。
手銛の長さも使いやすいものでいいと思いますが3m前後の物が取り回し易く多くの人におすすめできます。
4mを越える手銛になってくると回遊する青物など獲りやすくなるものの、岩礁地帯などではその長さ故使いづらく感じると思います。
最後に
これまで手銛の選び方を紹介してきていろいろな手銛があることをわかって頂けたと思います。
どの手銛でもその特徴がありそれぞれにおいて難しさ、楽しさがあります!
私も普段は3mを越える手銛を使っていますが、久しぶりに竹ヤスを使ってみるとやはり難しい!ということもあり魚突きの奥深さを感じます。
この記事を読んで下さった皆様が自分に合った最高の手銛、
まさしく相棒!!と呼べる一本に出会えることを願っています。
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