【魚突き入門】第4回目は『寄り』について。
前回の記事『寄せ』で紹介した技術の応用編となります。
今回紹介する『寄り』を習得することにより、今まで寄せきずに勝負できなかった魚たちも仕留められる可能性が生まれ、より自身のスキルアップに繋がります。
『寄り』を習得された方ならば次のような悩みが出てきているのではないでしょうか?
・魚を寄せられるようにはなってきたけど寄せきれない魚の方が多い
・どうしてもあと一歩というところで魚が逃げてしまう
・寄りという技術があるみたいだけど寄せと何が違うの?
この記事で紹介する『寄り』を習得することにより、この様な悩みを解決することができ、もっと魚突きの魅力に魅了されることとなるでしょう。
魚へアプローチする『寄り』の極意
『寄り』とは魚に警戒心を与えないようにこちらから魚へ近づいていき仕留める技術であり、魚に警戒心を与えないことが最も重要な技術のことです。
『寄り』を行う場合はできる限りゆっくりとした動作で行うことが基本となります。
前回の記事で紹介した『寄せ』では動かないことが重要でしたが今回の『寄り』では「動かずに移動する」ことが重要となってきます。
「動かずに移動する」とは
矛盾しているように思われるかもしれませんが簡単な例で説明すると
「マイナス浮力を使って自然降下しながら身体は全く動かさず、真上から海底にいるターゲットに近づく」というのがわかりやすいのではないでしょうか。
人の心臓の鼓動や、海流が身体に当たることによって生まれる淀みでも魚へ影響するのに、人が動き近づいて来ることは魚達からすると相当なプレッシャーとなります。
そのためできるだけ動かずに移動することが重要となってきます。
マイナス浮力を使う寄り方は垂直移動であるのに対し、それを応用して水平移動も覚える必要があります。
水平移動での寄り方
『寄せ』を習得された方であればターゲットが近くにいる状態でのフィンキックがいかに魚達の警戒心を刺激するかを理解できるでしょう。
そのため『寄り』では、ほとんどの場合フィンキックは使用せず海底にある岩などに掴まり身体を押し出して、その推進力のみでゆっくりと移動します。
それじゃあ寄りをしている時は全くフィンキックはしないのか?
と問われるとそうでもありません。
私の経験上、フィンキックを使う場面は大きく分けて2パターンあります。
1.ターゲットを見つけた状態で潜降して着底し、寄せを試みるも全くその気配が感じられない時に間合いを詰めるため
2.寄り終盤、あと一歩というところで魚が反転し距離を取ろうとした場合
1の場合はターゲットとの距離あるため、そこまで気を使う必要はありませんが
問題は2の場合です。
寄り終盤の状況で無理やりフィンキックを使って『寄り』を行なう場合、遠慮はいりません!
全力のフィンキックをお見舞いしてあげましょう。
もしターゲットを逃してしまった場合、その魚とは二度と出会うことはできないと思った方がいいです。
それだけの覚悟を持ち、「行く時は全力で行く!」という気合いがターゲットを仕留める可能性を少なからず上げてくれます。
どちらのパターンでも「これで逃げられたらしょうがない」という諦めがあっての行動なのでおすすめできる行動ではない。
『寄せ』から『寄り』へ移行する
これまでの説明である程度『寄り』のことを理解して頂けたと思いますが魚突きでの基本はあくまで『寄せ』です。
全ての魚を寄せることができ、仕留めることができるならば、どれだけ注意を払っていても警戒心を与えてしまう『寄り』をする意味はありません。
まずは『寄せ』を行い、どうしても寄せきれない魚に対して『寄り』へ移行しましょう。
『寄せ』だけの技術で魚突きをしていた人も今回の『寄り』を習得することにより魚を仕留めるチャンスが大幅に増え、自身のスキルアップを体感できます。
魚種別の寄り方
『寄せ』と同様に『寄り』でも魚種ごとに寄り方のコツが必要です。
ここで紹介するのはごく一部ですのでぜひ自身でも魚種ごとの寄り方を研究して最適な方法を見つけてみて下さい。
真鯛、コブダイ
水面からターゲットを見つけ、真上からマイナス浮力を使って寄る方法が効果的です。
真鯛は真上よりやや後方から寄る場合が成功率が上がります。
真鯛、コブダイともに水平移動での寄りは逃げられることが多いためなるべく真上からのアプローチが望ましいです。
石鯛
『寄せ』『寄り』『穴打ち』と様々な技術で獲れる魚であり、自分の狙った方法で仕留められるようになってくるとスキルアップを自覚できます。
寄りで仕留める場合は魚の挙動をしっかりと観察してその後の動きを予想し、できるだけゆっくりと近づく必要があります。
石鯛は魚突きをやる上で最も技術を向上させるための良きライバルとなります。
とにかく動きをよく見て観察し、魚の行動の基本を勉強させてもらいましょう。
ブリ、ヒラマサなど青物系
青物系は着底せず中層で寄るパターンが多いように感じます。
後ろから追跡する形で寄ってしまうと絶対に追いつけず逃げられてしまうので、魚の進行方向と自分の進行方向が交わるように移動することが重要となります。
始めは寄るのがなかなか難しく、魚が進行方向をよく変えますが根気強く観察し、魚が進む方向が変わるたびに自分が移動すべき方向を決めていく必要があります。
クエ、アカハタなど根魚系
根魚系は寄せるのはとても難しく『寄り』や『穴打ち』で仕留めることがほとんど。
近寄っていく時は始めが肝心でお見合い(魚が真っ正面にこちらを見ている状態)に持ち込むことができれば勝負できる。
細心の注意を払いできるだけゆっくりと近寄ってゆき頭を振って方向を変えた瞬間を狙います。
好奇心が強い個体であればほとんどの場合、お見合い状態に持っていくことができるが警戒心強めだとまず近寄らせてもらえない。
その場合は穴打ちに切り替え、勝負できそうな穴へ誘導する必要がある。
まとめ
【魚突き入門】4突き目『寄り』
いかがだったでしょうか。
今回紹介した寄りは『寄せ』で学んだ技術の応用編であり、魚に対していかに警戒心を与えずに近づくことができるかが重要な技術です。
この記事で紹介したことを実戦で試して技術を向上させてゆき、自分なりの魚への寄り方を見つけてみて下さい。
自分の能力を過大評価せず、安全第一に練習をすれば必ず結果は付いてきます。
この記事で一人でも多くの人が技術を向上させることができ、素晴らしい思い出が積み重なっていくことを心より願っています。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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