これから魚突きを始めようと思っている方は必要な道具やその選び方、どのような場所で潜れば良いかなど沢山の悩みがあるのではないでしょうか?
私も魚突きを始めた時に同じようなことで悩み、調べようとしましたがマイナーなアクティビティであるがゆえに情報量が少なく、本や雑誌なども売ってないため初心者の方は何が必要でどんな場所で潜れば良いかわからないと思います。
ネットでもこれから始める完全初心者の方に向けた情報は少なく、入り口が小さいと感じたので、最小限の道具で安全に潜るために重要なことを知ってもらい、この記事を読めば誰でも魚突きが始められるように解説していきます。
楽しみながら魚突きで重要な知識を覚えていきましょう。
必要最小限の道具とは?
魚突きで使用する道具は決して安い物ではなく、こだわり始めると高価な物が多いためこれから始めようと思う方は続くかどうかもわからない趣味のために高いお金を払うのはハードルが高いように感じます。
そのハードルを少しでも下げるために必要最小限の道具を紹介して誰でも気軽に、そして安全に魚突きの楽しさや奥深さを経験してほしいと思います。
とりあえず上記の5つを揃えると魚突きはできます。
なるべく金額を抑えるためにひとつずつ、おすすめや選び方を紹介します。
手銛
近所の釣具店に置いてある『竹ヤス』で充分です。
初めはなかなか魚を突けないと思いますが人によっては1時間もすればベラやメジナ、カワハギなど美味しい魚達を突けるようになります。
まずは竹ヤスで魚を突く楽しさを体験しましょう。
マスク&スノーケル
ホームセンターや釣具店で2〜3千円売ってある物でも充分です。
マスクは自分の顔に合いそうであれば問題ありませんが、スノーケルは海水の侵入を防ぐための逆止弁が付いている物は避けましょう。
そういったものが付いていないシンプルな物が良いです。
逆止弁が付いていると呼吸がし辛く、スノーケルクリア(スノーケルの中に入った海水を水面でスノーケルをくわえたまま吐き出すテクニック)にも余分に息を吐く必要があります。
どうしても見つからない場合は逆止弁を取り外すか、取れない時は切断してしまいましょう。
水着(ラッシュガード)
本来であればウェットスーツを着用して海に入りたいところですが、決して安いものでは無く魚突きも続けていくかわからない状況ですので初めは水着でも大丈夫です。
とりあえず魚突きをやってみて
『もっと魚突きをしたい』
『大物を仕留めてみたい』
と思えたらウェットスーツの購入を検討してみましょう。
海では知らない内に岩に体が当たり怪我をしていて後で気づくなんてことが多々あります。
怪我を防止するためになるべく厚手の物を着用した方が良いですが、水を吸収してしまう素材だと泳ぎにくく溺れる原因にもなります。
初めは長袖、ロングパンツのラッシュガードで対応しましょう。
グローブ
魚突きでは海底の岩礁に掴まったり、海に入る時や上がる時に岩を掴んだりするのでグローブは必ず着けましょう。
魚突き専用の物や防寒対策がされている物などたくさんありますが高価なものを使う必要はなく、滑り止めが付いた作業用手袋で充分です。
ちなみに今でも私は300円もしない作業用手袋で一年中海に潜っています。
フィン
訓練している水泳選手などではない限りフィンを着けずに海で潜ったり泳いだりすることはとても難しいです。
ホームセンターなどで売られている安い物でも問題ないのですが、3〜4千円くらいの物を使うと推進力が桁違いですのでおすすめです。
初めの頃は潜る事に慣れていないので道具の力に頼るのもひとつの手です。
フィンにはフルフットとストラップの2種類のタイプがありますが初めはストラップタイプをおすすめします。
魚突きの面白さに魅了され、これからも続けて行きたいと思った方は魚突きで重要となる技術や道具をひとつずつ詳しく解説している下の記事も読んでみてください。
必要最小限の道具紹介は以上になります。
この後の記事は初めて潜る人でも突ける魚の種類や初心者向けのポイントの選び方、潜り方や安全に魚突きをするための知識を紹介しています。
まだ余裕がある方はぜひ読み進めてみてください。
初めて潜る人でも突ける魚とは?
初心者の方は潜るので精一杯で魚を突くのは難しく感じるかもしれませんが諦めずに続けていると潜ることに慣れ、魚の動きを見る余裕が出てきます。
初めは近づくとすぐ逃げられていた魚でもどうすれば近づけるかを考え、実践する事により確実に突けるようになります。
下の魚たちは初心者の方でも比較的簡単に突くことができる魚種です。
・ベラ(キュウセン)
どこの海にも必ずいる警戒心の薄い魚で誰でも突くことができます。
塩焼きや煮付けなど下処理をしっかりすれば美味しい魚です。
・カサゴ(アラカブ)
岩の隙間などによく生息していて警戒心はそこそこありますが驚かせないようにゆっくりと近づくと銛先が当たるくらいの距離になっても逃げない魚です。
刺身や煮付け、唐揚げなど、どんな調理でも美味しい魚。
・カワハギ
ほぼ100%誰でも突けます。
逃げる気がそもそもないのか、こちらを試しているのかわかりませんがこちらが突くのをためらってしまうほど警戒心の薄い魚です。
肝醤油で食べる刺身は一度は試して頂きたい。
お吸い物や煮付けにしても美味しい。
メジナ(グレ)
海底の岩礁近くで群れを成して生息しています。
警戒心はありますが住処である岩の隙間などに逃げ込むため穴の中を覗いて突くと比較的簡単に突くことができます。
塩焼きや煮付け、皮付きでしゃぶしゃぶにしても美味しい魚。
・タカノハダイ
警戒心という言葉から最もかけ離れた存在で、カワハギ以上に突きやすい魚です。
というよりこの魚より突きやすい魚を私は知りません。
美味しくない魚として有名ですが時期や調理方法などを工夫すると美味しい魚です。
突いたらすぐに内臓とエラを出すだけでも味が変わり、旬は秋の終わりから冬にかけてです。
冬にしっかりと下処理したタカノハダイは刺身で食べてもとても美味しい魚です。(味の優劣には個体差があります)
初めて潜る人でも突ける魚を紹介してきましたが、調理次第ではどんな魚も美味しく頂くことができるので、いろいろな魚を突き自分好みの調理方法を見つけてみてください。
特にカワハギは見つけることが出来ればほぼ確実に突くことができ、肝醤油で食べる刺身は絶品です。
初めて潜る人のポイントの選び方
初めて魚突きをするポイントを選ぶ時に重要なことは2つあります。
・海に入りやすく出やすいか
・自分が潜れる水深か
魚突きを続けて行き装備が整ってくると密漁者などに間違われることが多くなり、人目につくポイントは避けるようになるのですが初心者のうちはあまり気にする必要はありません。
ポイント選びで重要な事をひとつずつ確認していきましょう。
海に入りやすく出やすいか
魚突きでケガをしやすい場面が海に入る時と出る時です。
入る時をエントリー、出る時をエキジットといいます。
波やうねりなどで岩などに体がぶつかりケガをする可能性があるので、はじめは岩場などからのエントリー、エキジットを避け海水浴場などのビーチから入るようにしましょう。
砂浜であればケガをする可能性が低いので安心ですが、海水浴をしている人が近くにいる場合はなるべく離れた位置から海に入ることを心掛けましょう。
魚突きの事を知らない人にとって手銛は凶器に見え、最悪通報されることもあります。
魚突き初心者の方におすすめのポイントはあまり人気のない小さな海水浴場や海辺のキャンプ場です。
人が大勢来るような海にはそもそも魚が少ないためビーチから少し離れた岩場の近くなどが狙い目です。
自分が潜れる水深か
これまで海に潜った経験がない方であれば魚突きをする事はとても勇気が必要になります。
お風呂で息止めをしたことがある人も多いのではないかと思いますが、顔を上げればすぐに呼吸ができるお風呂と違い、海に潜ると息が苦しくなってもすぐに海面に上がり息をすることはできません。
そのような恐怖も精神状態に影響して息が続かなくなる原因でもあります。
私も初めは2〜3mくらいの水深の海底の岩にタッチすることが限界で、すぐに上がってきてしまっていました。
魚突きを続けていれば潜ることに慣れてすぐに5m、10mと潜れるようになりますが、初めは深く潜れなくて当然です。
2〜3mの水深でいいので『あの岩にタッチして上がってこよう』と目標を立てて潜ってみてください。
続けて行くうちに余裕ができて周りで泳いでいる魚たちを見れるようになってきたら、もう少し深いところに挑戦して行くようにしましょう。
魚を突くための潜り方
魚を突くために覚える技術はたくさんありますが、これから始める方に向けてまずは潜り方について3つ解説していきます。
・ジャックナイフを覚える
・潜らなくても魚は突ける
・海底の岩に掴まってみる
ひとつずつ確認してみましょう。
ジャックナイフを覚える
魚を突くためには潜る必要がありますが闇雲に潜っても息が続かず、魚も逃げてしまいます。
効率よく潜るために『ジャックナイフ』という潜降方法を覚えましょう。
魚突きをする上で重要な潜り方であり、最も効率の良い潜降方法です。
始めはなかなかうまく出来ませんがしっかりと意識して練習することで上達が早くなります。
詳しく解説している記事があるので参考にしてみてください。
潜らなくても魚は突ける
水深が2mもない場所では潜らなくても魚が突けます。
水深が浅いところには大型の魚はあまりいませんが、カワハギやカサゴなど美味しい魚はたくさんいます。
まずは浅場で魚を突く感覚を養って楽しんでみると良いでしょう。
水深があって流れもあるところは青物が回遊してくる確率が高く根気強く探してみると出会えるかもしれません。
運が良ければ潜ることなく手銛の射程内に青物が入ってくることもあります。
私は水面から70cmオーバーの青物を突いたこともあります。
海底の岩に掴まってみる
人間の体は基本的に海水に浮くように作られています。
潜降して海底に着き、何もしなかったら自然と海面へ浮き上がって行きます。
息を止める練習も兼ねて海底に着いたら岩などを見つけて掴まり周りを見渡してみましょう。
10秒くらいジッとして待っていると魚の方から近づいてきてくれます。
これが魚突きの最も基本的な技術のひとつ『寄せ』です。
海の中で魚と追いかけっこしても絶対に人は勝てないので魚の好奇心を刺激して近づいてもらいましょう。
『寄せ』の技術を詳しく解説した記事も合わせて読んでみてください。
安全に魚突きをするために
魚突きは自然を相手にするアクティビティであるため危険が伴います。
どんなに気を付けていてもトラブルが起きることはあり、大自然様が本気を出したら人間は絶対に太刀打ちできません。
自分ができる安全対策は常に万全の状態で海に潜ることを心掛けましょう。
1人では潜らない
魚突きをしていて最も危険なことは水中拘束です。
どんなに海に潜ることに慣れた人でも水中拘束した場合、パニックを引き起こす可能性があり、海中でのパニックはそのまま死に直結します。
もしトラブルが起きても助けてくれる人がいることでそのようなリスクを回避することができるので絶対に誰かと一緒に行くようにして何かトラブルが起きたらお互いに助け合えるようにしましょう。
魚突きにどんなに慣れたとしても1人で海に入ることはせず、必ず2人以上で行ってお互いを見ながら魚突きを楽しんでください。
本能に従う
ポイントの選び方でも解説しましたが魚突きに慣れていない人は海に潜ること自体がとても怖く、なかなか深くまで潜れないと思います。
でもそれで良いのです。
怖いと感じるのは生物の本能であり、それを無視しても良いことは何もありません。
無理をせず、ゆっくりと海に潜ることに慣れていけばいつのまにか初めの頃には到底無理と思えた水深まで潜れるようになります。
安全第一を常に心掛けて少しずつ自分が成長していく過程を楽しみましょう。
最後に
この記事はこれから魚突きを始めたい方へ向けた入門ガイドであり、紹介したこと以外にも重要な道具や覚えるべき技術が沢山あります。
ですが魚突きはマイナーなアクティビティであるがゆえに情報量が少なく、本屋に雑誌なども売ってないため初心者の方は何が必要でどんな場所で潜れば良いかわからないと思います。
そのような方に最小限の道具で安全に潜るために重要なことを知ってもらえれば、これからさらに魚突き人口が増え、ゆくゆくはテレビや雑誌でも取り上げられるようなメジャーなアクティビティになることを夢見ています。
この記事がこれから魚突きを始める方の助けに少しでも貢献することが出来れば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
分かりにくかった事やご質問等ございましたらこちらまでお気軽にお問合せください。
全身全霊をもって回答させて頂きます!
コメント